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大相撲、横綱・稀勢の里がワースト記録更新となる8場所連続休場となることが7月5日に決定。九月場所へ進退を賭けた決意を語りました。稀勢の里の休場の経緯などをまとめました。

稀勢の里、8連続休場でワースト記録更新

まず最初に稀勢の里が連続休場ワースト記録更新をする前のワースト記録について。
 
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横綱の連続休場ワースト記録は、貴乃花の7場所連続でした。
 
2001年5月場所14日目、貴乃花は対武双山戦で右膝半月板損傷の大怪我を負いました。関係者は皆、貴乃花に休場を勧めるも、優勝がかかっていたため本人は頑として聞かず、千秋楽は強行出場しました。
 
千秋楽・結びの一番である対横綱・武蔵丸戦では、全く相撲にならず貴乃花は一瞬で敗れてしまいます。これで両横綱、貴乃花と武蔵丸は13勝2敗の相星、つまり優勝決定戦となりました。
 
2つ前の場所、つまり2001年初場所も千秋楽で武蔵丸と相星となり、優勝決定戦で優勝を収めていた貴乃花。しかし、今度ばかりは怪我が深刻で「流石に本割同様に瞬殺で負けるだろう」と思われていましたが…。
 
なんと決定戦で貴乃花は武蔵丸を豪快過ぎる上手投げで破りました。当時は投げをうって勝利したときの貴乃花の「鬼の形相」が有名になったほどです。
 
そして表彰式で当時の小泉首相が「感動した!」とコメントしたことも多くの人の記憶に残っている通りです。
 
この貴乃花の「感動的な優勝」の代償は大きすぎました。結局、翌場所から7場所連続の休場を余儀なくされました。貴乃花の場合は、横綱審議委員会から出場を促され8場所連続の休場はせずに出場。その場所は12勝をあげて、13勝2敗で優勝をした横綱・武蔵丸に次ぐ成績をあげ、復活したかに見えましたが...。
 
貴乃花は翌11月場所に全休し、明けて2003年初場所では4敗を喫した次点で休場し、そして引退となります。
 
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次に、この貴乃花のワースト連続休場記録を更新した稀勢の里のことですが、「貴乃花の連続休場の経緯」にとても似ているのです。

稀勢の里、横綱昇進と怪我の経緯

2017年初場所で、当時、大関だった稀勢の里は初優勝を収め、全場所の優勝次点の成績も考慮されて、場所後に第72代横綱として昇進が決まりました。
 
日本人としては19年振りの横綱となり日本中が歓喜し沸きました。その流れで日本中の相撲ファンは新横綱として迎える翌3月場所での連続優勝を期待していたのです。
 
そして3月場所。横綱・稀勢の里はファンの期待通りに初日から12連勝。全勝優勝も可能かという勢いを見せていました。
 
しかし13日目の対横綱・日馬富士戦でまさかの展開です。負けて土俵下に落下した稀勢の里は左大胸筋を痛める大怪我を追ってしまいます。日本中の誰もが稀勢の里の休場を予想していました。
 
しかし前述の貴乃花と同じく強行出場。14日目は土俵入りで満足に柏手も出来ない状態なのにもかかわらず。結果、対横綱・鶴竜戦では全く相撲にならず2敗目を喫します。この2敗目で優勝争いは大関・照ノ富士に1つ先行されてしまいました。
 
そして迎えた千秋楽。対大関・照ノ富士戦です。稀勢の里がこれに負ければ照ノ富士2度目の幕内優勝となります。
 
14日目の稀勢の里の相撲を見て誰もが照ノ富士の勝ちと優勝を確信していました。稀勢の里が逆転優勝するには稀勢の里が本割と優勝決定戦で連続で勝つことが条件であり、稀勢の里の怪我の状況ではとうてい無理なことと思われていたからです。
 
しかし稀勢の里は本割で照ノ富士に勝ち、優勝決定戦に持ち込みます。さらに決定戦でも勝ち横綱昇進場所での優勝を飾ったのです。
 
怪我を押しての優勝は日本中の感動を呼びました。それは貴乃花の奇跡の優勝のときと同じです。そして感動の優勝の代償も、貴乃花同様に深刻なものでした。
 
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対横綱・日馬富士戦で痛めた左大胸筋の怪我は思いのほか深刻で、稀勢の里の得意の左おっつけが全くできない状況になってしまいました。その後は次のように「連続休場街道驀進」という状況です。
 

  1. 2017年5月場所、6勝5敗4休
  2. 2017年7月場所、2勝4敗9休
  3. 2017年9月場所、全休
  4. 2017年11月場所、4勝6敗5休
  5. 2018年1月場所、1勝5敗9休
  6. 2018年3月場所、全休
  7. 2018年5月場所、全休
  8. 2018年7月場所、全休

 
横綱昇進場所であった2017年3月場所で優勝したあと8連続休場。つまり、横綱在位9場所で15日間出場したのは最初の場所だけという状況です。
 
もし今年の9月場所で千秋楽を迎えることなく引退となれば、満足に戦ったのはたった1場所の横綱としての「大記録!?」をつくってしまいます。
 
「たられば」な話ですが、もし「2017年5月場所と7月場所」をしっかり休んで怪我を治していれば、事態はもっと違ったかもしれません。頑固さでは貴乃花に負けないくらいの稀勢の里、自ら墓穴を掘ってしまったと言えなくもない状況に陥っているわけです。
 

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稀勢の里、7月場所前状況(白鵬&舞の海コメントなど)

ところで、先場所5月場所に全休を決めた際、稀勢の里からは「すべてを7月場所に賭ける」という強い意志が表明されていました。本人は7月場所出場は決めていたのでしょう。
 
しかし7月場所は場所前に「調整に重要な巡業」がありません。そんなこともあり怪我を直しながら調整している稀勢の里にとって、稽古不足な状況に陥ってしまうことは十分に予測できたことでした。
 
それでも復調の兆しを掴んでいた稀勢の里はギリギリまで出場を考えていたようです。
 
今月に入って、稀勢の里は横綱・白鵬と稽古をしています。7月2日は三番稽古、同3日はぶつかり稽古。その結果、「目覚めた気がする。体も良くなってきたし、動いて(状態が)上がってきた。だいぶ名古屋でつかめた。筋力的にもだいぶよくなっている。」と話していたのですが…。
 
7月4日、稀勢の里は九重部屋に出稽古。そこで平幕・千代ノ国(西前頭2)と11番取って8勝3敗。しかし千代ノ国との前半戦では2勝3敗と大苦戦していたのです。体調と状況は稀勢の里自身が一番分かったのでしょう。翌5日に稀勢の里自身が7月場所の休場を決めました。
 
稀勢の里の8場所連続休場については、白鵬、舞の海、貴乃花は次のように語っています。
 

  • 横綱・白鵬
    • 8場所連続の休場は誰もが知っていること。(出て)最後まで土俵を務めて(白星が)9、10番でも、逆にみんな(頑張ったと)称えてくれると思う。
    • (2日、3日と連続稽古したことについて稀勢の里の状態は)いいと思った。ファンは出てほしいだろうし、9、10番はいけるイメージあったけど。(横綱は)優勝争いを求められているから、勝負というのはこんなんじゃないというのがあって、本人が決断したんだと思う。
  • 解説者・舞の海
    • (千代ノ国との稽古を見て)もう少し時間があれば。早まってほしくない。
  • ワースト記録を抜かれた貴乃花親方
    • (稀勢の里復活の鍵を問われ)申し訳ないが、本人にしか分からないから何も言えない。
また、横綱審議委員会は「万全になってから出てきてほしい」と7月場所の出場にこだわらない姿勢を示しています。

稀勢の里、自ら休場を語る

ところで、これまでの7回の休場については、毎回、部屋の師匠、田子ノ浦親方が表明していましたが、今回の休場については稀勢の里自身がしっかり表明しました。
 

  • 必死に稽古してきたけど調整がうまく進まず、まだ相撲が戻らないので、今場所は休場することにした。また来場所、すべてをかけて頑張っていきたい。
  • 名古屋)場所中もしっかりと稽古したい。もっともっと自分に厳しくしていきたい。
横綱・稀勢の里は、これで完全に後がない状況になりました。9月場所の序盤の戦績いかんでそのまま引退も十分にあり得る状況です。
 
ファンとしては、稀勢の里の復活を強く望む一方、中途半端な状況は続けて欲しくないという思いもあります。

まとめ

5日に横綱・稀勢の里の8場所連続休場が決まり、その経緯などについてまとめました。
 
復活のためのシナリオをプロのトレーナーが立てて実践するのか、それとも自らの経験のみで行うのか。また、一番の稽古相手、大関・高安も万全でないので実戦的な稽古不足をどう補うのか…。いろいろ心配は尽きません。
 
9月9日からはじまる9月場所での復活を信じて待つしかありません。
 
※アイキャッチ画像の出典:pixabay


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