愛知医大病院、新生児MRSA感染、1人重症で6人保菌状態〜院内感染!?

MRSA


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28日、愛知医大病院は、入院中の新生児からMRSAが検出され、1人が発熱などの症状を発症し重症だとの発表をしました。
 
「◎◎感染」というと病院の院内感染事故のように感じますが、実態は不明です。

愛知医大病院の発表は…

 
28日、愛知医大病院は新生児集中治療室(NICU)に入院している新生児がMRSA(エム・アール・エス・エーと呼称)〜メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〜1人が発熱の症状を発症し重症だとの発表をしました。
 
あわせて6人が保菌状態で、うち2人はすでに退院したことも発表しました。
 
愛知医大病院は院内感染したとのことで保健所に報告した上で、マスコミ発表を行った模様です。詳細は不明です。

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MRSAとは…

 
MRSA〜メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〜とは、抗生物質メチシリンに対する薬剤耐性を獲得してしまった黄色ブドウ球菌のことです。
 
黄色ブドウ球菌自体は常在菌であり、健康な人の鼻腔、咽頭、皮膚などから検出されることがあります。
 
新生児集中治療室(NICU)に入院中にMRSAに感染する事例はままあるようです。
 
公益社団法人日本小児科学会から平成13年5月発信で「新生児医療におけるMRSAに関する日本小児科学会新生児委員会の見解」というのがあり、新生児のMRSA感染(保菌)についての考えを述べています。
 

近年、いくつかの新聞で新生児のMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染(保菌)が取り上げられている.それらの文面からは、臨床的に問題になったことよりも、新生児がMRSAを保菌したことに話題性があるとして捉えられている…
(中略)
日本小児科学会新生児委員会では、最新の医学的知識と医療の現状に鑑み、健常新生児管理およびNICU(新生児集中治療室)におけるMRSA対応についての見解を述べる。
(中略)
MRSAそのものは、その感染力および病原性が通常のブドウ球菌よりも高まっているものではなく、その対応においてはMRSAと一括するのではなく、どのような薬剤耐性を有するMRSAであるかを考慮すべきものである。
(中略)
多くのNICUにおいては施設の過密度などにより、長期に人工換気療法を受けている児を中心に入院児の黄色ブドウ球菌検出率が高く、その多くがMRSAとなっている2)3). しかし、後述する新生児TSS様発疹症以外、MRSA感染そのものがメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)と本質的にその臨床像が異なるものではない.各施設においては保菌者の比率を下げる目的で、種々の菌定着防止対策が行われているが、残念ながらこれまでのところMRSA保菌率を減ずることには成功していない.黄色ブドウ球菌そのものは健康人の常在菌であり、感染のリスクがより高い人の集団である病院の中で、それを皆無にすることは極めて困難であるのが現状…
(中略)
現在のNICUにおけるMRSA対策の中心は、「どのような薬剤耐性をもつMRSAであるかをモニタリングするとともに、感染症の場合に薬剤耐性を強めないように適切な抗生物質を使用すること」である。
 
NICU退院児においても、当然のことながらある程度のMRSA保菌率が予測される.MRSAはその薬剤感受性が既知であれば、他の黄色ブドウ球菌と同様な対応が可能であることを含め、家族へ正しい情報を提供しなければならない。
 
※公益社団法人日本小児科学会サイトから引用
http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=83

 
素人には難しくてよくわからないのですが、その素人が理解したところは次のようなことです(間違っていたらごめんなさい)。
 

  • MRSA自体は常在菌であり、院内感染をゼロにすることは極めて困難
  • 重要なことはどのような薬剤耐性を持つMRSAなのかをモニタリングして、適切な抗生物質を使うこと。
  • 感染してしまったNICU入院新生児については、親に適切な情報開示を行うこと。
  • 感染してしまったNICU入院新生児が退院する場合も、その後のことについて家族へ正しい情報を提供すること。
 

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まとめ

 
日本小児医学学会の見解によると、常在菌MRSAの感染をNICUでゼロにすることは極めて困難だとのこと。
 
ただし仕組みとして感染が判明した場合は保健所にすみやかに報告するということになっているのだと理解しました。
 
なので今回の愛知医大病院によるNICU入院新生児の1人がMRSAに感染・発症し重症だということ、並びに保菌者が6人いる(うち2人は退院)ということについては「事故」という認識は違うのかもしれません。
 
感染した場合については、退院後のケアや通院のことなどもあるので、正しく親に情報開示することがポイントのようです。
 
※アイキャッチ画像の出典:Wikipediaより