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映画『君の名は。』新海誠監督が仕掛けた謎や遊び、7つのネタバレ♪

君の名は。

 
 
今回、この記事では、映画『君の名は。』のなかに、新海誠監督が仕掛けた謎や遊びの数々について、7つのネタバレをします。
 
物語の本流とも言うべき「結び」(縁や時空の流れ等)については、今回はパスします。
 
そのことについては、こちらの記事をどうぞ。

 
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その1、高山ラーメン「吉野」

 
 
新海誠監督は、「映画初見の観客では、それ絶対気づかないでしょ!」という遊びをいくつも仕掛けています。その1つが高山ラーメン「吉野」です。
 
1度でも『君の名は。』を通しで見た方なら、後半、瀧たちが飛騨高山へ「とある捜し物の旅」をしたとき、立ち寄ったラーメン店を覚えていることでしょう。
 
そして、そこの店主が軽トラックを出してくれて、瀧の謎が少しずつ解けてくるのです。物語のなかでとても重要な要因、それがこのラーメン店。
 
覚えている方もいるかな。店名は「吉野」です。
 
 
高山ラーメン
 
その高山ラーメン「吉野」、「ナンバー3-52」の軽トラックが、物語の最初に出てくるのです。糸守町町長2期目を目指している三葉の父・宮水俊樹が、早朝に選挙演説をしているあたり。
 
登校中の娘・三葉を見かけた父・俊樹が、演説を中断し、三葉へ向かって「胸を張って歩きなさい!」とマイクを通して叱り飛ばす場面。あの後です。
 
ガン見しないとわかりませんが、駐車している「吉野」の軽トラックが数秒だけ見えます。
 
この軽トラを目にした初見の観客が「この軽トラックが、のちのち重要な役割を果たすかもしれない」と思うことは皆無でしょうね(笑)。
 
 

その2、糸守高校古文担当、ユキちゃん先生

 
 
三葉の意識が瀧と入れ替わった初日(2013年9月2日)、その翌日の糸守高校での授業シーン。黒板には「9月3日(火)」と書いてあるのが見えます。
 
授業科目は古文、教えているのはユキちゃん先生です。
 
その授業シーンでは、『君の名は。』のスペシャルキーワードの1つ「かたわれどき」について、授業にかこつけて(?)、見る者に説明があります。
 
そういう重要なキーワードを直接的ではないやり方で見る者に伝える。「それ」も新海誠監督らしい感じはします。でも、今回のユキちゃん先生のことで伝えたいのは「それ」ではありません。
 
実は、ユキちゃん先生、新海誠監督作品、2度目の登場なんです。それも連投。
 
『君の名は。』の前作である、『言の葉の庭』のヒロイン、雪野百香里がその人です。
 

 
『言の葉の庭』では、訳あって、東京の高校を退職することになり、故郷の四国に戻って、先生を続けるという設定でした。
 
四国にいるハズのユキちゃん先生が、『君の名は。』では岐阜県糸守高校の古文の先生として再登場した「流れの設定」みたいなのは不明です。
 
しかし、担当する声優は『言の葉の庭』と同じ、花澤香菜さんという懲りようです。明らかに新海誠監督の強い意志を感じます。
 
このユキちゃん先生の再登場について、新海誠監督は「ファンとのQ&A」のなかで、こう述べています。
 


Q:前作のヒロインである雪野先生が登場しますが、初めから登場させる予定だったのですか?
 
A:最初から決めていました。『君の名は。』は前作までの映画よりずっと大規模の公開になることが決まっていたので、「新海など知らない」という観客が大半になるだろう、と。それならば、昔から応援してくれているファンだけに判る、秘密のプレゼントのようなものを作品に込めたいと考えたんです。
 
※引用元:ディレクターズエディションBlu-rayに付属の100Pブックレットから

 
なるほど、ずっと新海誠ファンでいてくれた方々へのプレゼントとしてのサプライズ再登場だったワケです。でも、サイト管理人「たもつ」は、本当のところは、新海誠監督が語ることとは、少し違うのかなと考えています。
 
前作『言の葉の庭』も、最新作『君の名は。』も、モチーフとして万葉集が使われています。
 
万葉集は新海誠監督にとって、登場人物の心の有り様などを表現するための必須ツールなのです。
 
ですから、ご自身が言っているように、確かにサプライズの意味合いもあったものの、新海誠監督にとって、ユキちゃん先生の再登場は、無意識下の必然だったのかもしれない、そう推測しています♪
 
 

その3、サヤちんとテッシーも再登場!?

 
 
再登場といえば…
三葉の幼なじみ、サヤちん(名取早耶香)とテッシー(勅使河原克彦)。実は、この2人も新海誠監督作品からの再登場なんです。しかも、ユキちゃん先生と同様『言の葉の庭』です。
 
ただし、サヤちんとテッシーは映画『言の葉の庭』には、登場しているものの、観客の記憶に残るような登場の仕方ではありません。「そんなキャラクター居た?」という方がほとんどでしょう。
 

 
2人は、小説版『言の葉の庭』には、わりとしっかりと出てくるキャラクターであり、『君の名は。』のキャラとの共通項は高校生だということくらいです。
 
実質、名前だけの再登場、しかも、小説版からの再登場というわけです。
 
この2人は小説『言の葉の庭』(著者、新海誠監督自身)の「第7話」に登場するキャラです。
 
そこから2人の名前を使うことだけ、つまり、キャラ抜きで名前を使うことを早々に決めていたようです。
 
『君の名は。』のベースには、明らかに『言の葉の庭』が存在するのです。
 
 

その4、『言の葉の庭』からは、もう一つの遊びが…

 
 
『言の葉の庭』からの謎、3投目です(笑)。
 
瀧は、イタリアレストランでバイトをしています。そして、その店名が物語のごく前半で映し出されます。
 
シーンとしては、瀧の意識が三葉と入れ替わった2016年9月5日(月)の夕方です。
 
その店名はイタリア語で『Il giardino delle parole』(イル・ジャルディーノ・デッレ・パローレ)です。実はこの言葉、映画『言の葉の庭』のイタリア語タイトルそのままなんです。
 

 
これほど前作『言の葉の庭』関連が『君の名は。』に盛り込まれているということは、新海誠監督の映画人生において『言の葉の庭』がとてつもなくインパクトのある作品だったからでしょう。
 
それは同時に、『君の名は。』で、『言の葉の庭』を超えたいという宣言だったのかもしれません。
 
 

その5、神事・巫女の舞に隠された意味!?

 
 
三葉・四葉姉妹の実家でもある糸守町宮水神社。そこで毎年秋に行われる豊穣祭。主役は三葉と四葉です。
 
巫女装束を着た2人が、神楽殿に立ち、祖母・一葉に仕込まれた巫女舞を踊ります。
 
その舞の後に「口噛酒」の実演があるので、しかも「口噛酒」は後半の物語を左右するとても重要な「品」ですから、見る者たちは、「口噛酒」に意識が集中してしまいます。
 
公開中に映画館で4回見たサイト管理人「たもつ」も、このシーン、「口噛酒」の部分はガン見しましたが、その直前の巫女舞は意識的にはスルーでした。
 
しかし、のちのちBlu-rayで調べたら、巫女舞にも重要な「謎」が仕込まれていたのです。
 
神事
 
 
この巫女舞、三葉と四葉が持つ鈴の軌跡に大きな意味がありました。実は「1200年前、彗星が2つに割れて、そして、落下衝突する悲劇」を顕しているのです。
 
巫女舞自体は、宮水神社で代々受け継がれてきたもの。つまり、1200年前の彗星衝突の悲劇が巫女舞のなかに織り込まれ、それを踊りとして継承してきたという背景をここで物語っています。
 
ちなみに、この巫女舞は、歌舞伎役者の中村壱太郎さんの創作。実際に中村壱太郎さんご自身が巫女舞を踊った映像をモーションキャプチャしてアニメ化しました。相当の懲りようです。それだけ、このシーンを新海誠監督は重要視しています。
 

 
シーンとしては50秒前後。
 
三葉と四葉が鈴で彗星が2つに割れ、落下する様を表現した舞いの直後、神楽殿に設置してある炎が映ります。この一連の流れは「彗星が落下して、村が燃えさかる様」をその「炎のワンショット」で顕しています。
 
 

その6、宮水神社ご神体の真実!?

 
 
『君の名は。』には、宮水神社のご神体が数度登場します。
 
最初は、一葉、三葉(意識は瀧)、四葉の3人で「口噛酒」を奉納に行くとき。山の窪地のほぼ真ん中に「それ」はあります。
 

 
遠目に見ると「それ」は岩の塊。そして中は空洞。そこに宮水神社のご神体が祭られています。
 
2度目のご神体登場は、瀧と司、そして小野寺先輩の3人での小旅行のとき。そのときの詳細は端折ります。
 
3度目は、ご神体のところで倒れて気を失っていた瀧(中身は三葉)が意識を取り戻すとき。


さて、この宮水神社のご神体、前述のように全体が岩のようです。実は、これ、次のような設定です。
 
ご神体全体を構成している岩は、1200年前に落下したディアマト彗星の欠片そのもの。
 
当時、生き残った人々が、村を全滅させたその岩を崇め奉り、ご神体にした。そこで継承されてきた意思は「次に来る大惨事を回避する」ということだったのです。
 
そういう背景設定をしています。う〜ん、巫女舞といい、ご神体といい、見る者たちが絶対に気づくことのないところに、たくさんの仕掛け(設定)があるんですね。
 
 

その7、糸守町町長・宮水俊樹の心変わり

 
 
映画『君の名は。』には、解けそうで解けない謎がたくさんあります。解けそうなヒントは散りばめられているものの、「決定的な解」までは提示しない。その解は見る者が自分で考え作ってくださいね…そういう趣向です。
 
言い換えると、それはメタファー(隠喩)であり、そのメタファーから見る者が何を思うか、何を啓発されるかは自由です…ということ。
 
そういう自由度の高い(?)謎の典型が「宮水俊樹町長の変心」です。
 
彗星落下の当日、すなわち、2013年10月4日。11回で途絶えていた三葉と瀧の意識の入れ替わりですが、久しぶりの12回目が、この日に起きました。
 
10月4日朝に目覚めた三葉(意識は瀧)は、今日が「その日」であることを確認し、そして、決意します。

  • 糸守町の人たちを彗星衝突の大災害から絶対に救う!
 
そして、サヤちんとテッシーを巻き込み、3人で「住民避難大作戦」を挙行します。
 
三葉(意識は瀧)の最優先の役割は「父である糸守町長・宮水俊樹に全住民の避難の必要性を説き、実行させること」。しかし、俊樹は三葉の懇願を歯牙にも掛けず、しかも、目の前の三葉は「娘・三葉ではない」と見抜ぬいてしまいます。
 
三葉・サヤちん・テッシー3人の大計画は叶わないのか…。糸守町、絶体絶命の大ピンチです。
 
画面はやがて、彗星落下、糸守町が一瞬で壊れ行く様を描きます。「ああ、やはり上手くいかなかった、間に合わなかったのだ」。見る者の心に焦燥と虚脱が漂います。

物語は一転、瀧は就職活動中。連戦連敗で内定ゼロ。そしてほどなく、見る者たちは知るのです。糸守町の住人は全員助かったことを。
 
???どうして???
 
すると、彗星落下の直前に、糸守町長・宮水俊樹が緊急避難訓練をしたということが明かされます。謎は深まります。なぜ、そんなにタイミング良く避難訓練をしたのか。それ以上に、頑なだった、あの町長&父・俊樹はどうして変心したのでしょうか。
 
その謎について、新海誠監督はこう述べています。
 


Q:映画のクライマックスで、三葉のお父さん(糸守町長・宮水俊樹)が、三葉の言葉を受け入れ町の人たちを非難させた理由が描かれなかったのはなぜですか?
 
A:そこを描写しても、映画の面白さには資さないからです。「瀧と三葉の感情の行方」というメインの筋が途切れてしまいますし、「住民は果たして避難できたのか?」というサスペンスは損なわれてしまうし、だからテンポも綻んでしまいます。さらに「なぜ町長を説得できたのか?」を観客が推察できるだけの描写はそこまでしているつもりです。
 
※引用元:ディレクターズエディションBlu-rayに付属の100Pブックレットから

 
なるほど、謎を全てバラすことをしない理由は、それなりにあるんですね。
 
でも、これでこの記事を終わりにしたら消化不良過ぎです。そこでラストに、サイト管理人「たもつ」からのプレゼント。
 
宮水俊樹町長変心の答えは、次の本の第4章にあります。一言でいうと「ムスビ」です。ここで詳細に語るのはやめておきます。気になる方は、このスピンオフ小説をお読みください♪
 

 

まとめ

 
 
君の名は。
 
 
『君の名は。』に散りばめられた「新海誠監督の遊び心のある仕掛け」たち。そのたくさんの仕掛けのなかから、7つをネタバレ紹介させていただきました。
 
まだまだたくさんの仕掛けが存在します。そういうものを探すことも、『君の名は。』の楽しみ方のひとつかもしれません。
 
この記事が「もう一度『君の名は。』を見てみようという行動」に繋がったら幸いです。
 
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追記1〜新海誠監督作品については…

 
新海誠監督作品については、他にも記事をいろいろ書いています。
 
こちらをご覧ください。
↓ ↓ ↓ ↓
新海誠監督作品紹介
 
 

追記〜2度のサイト閉鎖を経て

 
 
本記事は、当初、サイト「映画『君の名は。』応援し隊」に投稿していましたが、そのサイト閉鎖に伴い、リライトをしてサイト「新海誠監督とその作品たちを応援するサイト♪」に投稿。しかし、そのサイトも閉鎖したので、今般、リライトの上、当サイトに投稿しました。
 

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